故人が残した遺品。ご家族にとっても思い出が詰まった品である場合や、故人が密かに保管していた品もあるかと思います。共通の思い出がある品であれば故人を偲ぶために手元に残しておきたくなるのが人情というものでしょう。ですが、個人の趣味で収集していた『何に使う物なのかすらわからない古びた物』『取り扱い方がわからない茶道具』など…どうやって処分すべきか悩んでしまった時のために手順や方法などご紹介していきます。
基本的には古美術・骨董屋を最初に呼んで査定してもらう
以前ご紹介した記事【要確認!】遺品整理で失敗する人達の意外すぎる共通点にもあるように、基本的にリサイクル業者や遺品整理専門業者では古美術品や骨董品の知識が浅く、適切な査定を行うことはできません。査定の差額が微々たるものであれば問題ないのでしょうが、数十万円損した話や100万円以上の価値がある品をタダ同然で持って行かれたという話も多く寄せられます。業者側に悪意の有無までは不明ですが、論理的に考えても古美術の専門家でない業者なのですから適正価格からかけ離れた査定になってしまいがちです。また、やはり故人の思い出が詰まった大切な遺品は大切に取り扱って欲しいものです。
不用品の処分・片付けも一緒に行える古美術・骨董屋の利用を検討しましょう
大切なご家族を亡くされたばかりの時期に、色々な業者さんと連絡を取るのも大変辛いかと思います。手間を減らす目的であれば、『古美術・骨董の買取もできる業者』ではなく『古美術・骨董の買取がメインの業者』が実施している遺品整理サービスを利用した方が安心でしょう。故人が「古美術品はここに纏めておくからね」と事前に申告してくれている事はまずありません。業者の知識不足で故人が大切にしていた品がゴミとして処分されてしまう事態が起こらないよう、ご依頼前には是非ご注意いただきたいと思います。
見落とされやすい古美術・骨董品
よほど骨董好きな方になると、書画や陶磁器だけでなく素人目にわかりにくい品もお持ちになる方が増えてきます。そうするとご遺族の方々には判断できず捨てられてしまう可能性も増えてきます。これが全てという訳ではありませんが、よくあるパターンとして話に上がりやすい品々をご紹介します。
- 帯留や簪などの和装小物
- 木彫の根付やお面などの彫刻
- 硯や華台などの中国美術
- 錆びで真っ茶色な鉄瓶や緑色になった銅鏡
- 実はアンティークだった家具
上記は本当によく捨てられてしまうようです。また、ご遺族の方々が念のためにと査定に出しても、リサイクル業者さんや遺品整理専門業者さんも価値がわからず0円~1,000円程度の値を付けてしまう場合があるようです。品によっては50万円、100万円と高額で買取ってもらえる遺品をゴミ同然に扱われては故人も残念がるのではないでしょうか。
また、わかりやすい品目とはいえ、下記のような品も注意が必要です。
- 漆の剥がれが目立つお盆
- 大きなヒビが入っている茶碗や水差
- 火屋を紛失してしまった香炉
- 中身は空っぽだけど書付のある木箱
もちろん保存状態が良い方が高値であるのが基本ですが、直し(リペア)を施す事も古美術の世界ではごく普通の文化です。品物自体に歴史的・美術的価値があればしっかりとした査定額になる事を覚えておきましょう。