コロナ禍という世界的脅威が続いている中、古美術・骨董業界も動きが鈍化していると思われがちです。ところが実際には以前ご紹介した記事
コロナで骨董品の相場は下がった?上がった?業界のリアルな情報を公開
でも触れたように、骨董品の相場は上昇している傾向さえあります。そんな環境のなかで特に高値で売れやすい中国美術の事情とはどのようなものなのかご紹介していきます。
中国バブルは終わっても中国の富裕層が残った
中国バブルは崩壊したと言われていますが、そこで生まれた新たな富裕層たちは健在です。もちろん多くの富裕層たちがバブル崩壊に巻き込まれたのでしょうが、そこは日本とのスケールが違う点です。日本の10倍という圧倒的な人口を抱える中国で誕生した富裕層たちと既存の富裕層が過去に日本に流出していった中国美術品を競うように購入する。それにより一時は日本で売るより中国向けに売った方が10倍の値段がつく時代が続いています。
そもそも購買層には中国の富裕層が圧倒的に多い
コロナの影響で日本の多くの企業が業績を悪化させ、経済活動にも大きな影響が出続けています。その影響は日本に限ったものではなく世界、もちろん中国にも大きな打撃を与えました。中国美術を積極的に収集している層の多くが大衆層であれば「先行きが見えないから今は購入を控えよう」という思考が広がり、市場価格は値下がりしていたかもしれません。
ところが、実際に市場価格に影響を与えるような購買層は富裕層であり、彼らにはまだまだ中国の美術品を高値で購入する体力が残っていると言われています。そのため事実として現在の状況であっても中国に販売されていく中国美術品の価格は下がっていないのです。
結論として、今はまだ中国美術が高く売れる時期である
前述のとおり現在まで中国美術の取引相場は高値を維持できていると言って過言ではありません。ですが、徐々に高額で売れる品物も「なんでもいい」という訳ではなくなる傾向が見え始めました。この流れが続けば中国美術の市場価格に影響が出始めるのもそう遠くないと予測されています。中国美術品をお持ちの方々からのお問い合わせも増えており、私たちの予測としても今が最後のチャンスである可能性を否定できません。高く売ることだけが古美術の楽しみではありませんが、少なくとも高く売れる内に高く売ってしまいたいという方々にとって今このタイミングで売却を検討することをお勧めしています。